「野ブタ。をプロデュース」 第一話~第三話2005年10月30日 20:21

「ごくせん」「瑠璃の島」「女王の教室」と続いた土曜日9時は、今年私の中で一番好きなドラマ時間帯。
その時間帯で始まった「野ブタ。をプロデュース」。
日テレ得意のこれでもか番宣が非常にハナに突いた「野ブタ。をプロデュース」。
私は絶対に観るまい、と思っていた。
ところが「相棒」以外、どうも毎週観たいドラマが見当たらない。
仕方なく誓いを全面撤回してとりあえず第1話は観てみることにした。

舞台になっている「隅田川高校」。
「隅」を「墨」と表記する一文字違いではあるが、私の家の近くにある実在する高校名である。
今はすっかり凋落した感があるが、地元では根強い人気高校。
実在する墨田川高校(旧制府立第七中学)は、THE ALFEE 坂崎幸之助の母校。
私が高校生の時に覗いた「七高祭」では、可愛らしい女子学生がさだまさしの「最終案内」をとても綺麗な声で歌っていたのを思い出す。

そういったことも僅かばかりの関心に寄与した。
第一話

いじめられっ子を人気者にプロデュース。
何だかこの部分のキャッチフレーズの軽さが「どうなんだろう。」という感じだったのだが、「高校生にもなって、あそこまでやるか?」的な徹底さが、次も観たくさせるところであった。

桐谷修二は、男としてはあまり好きになれないキャラクターであるものの、野ブタに対してのお節介具合が何とも良い。
彰のキャラクターもうざったいのであるが、何だか憎めない。

第一話はどうしても登場人物紹介+αの話となる。
「まあ、こんなものだろう。」という可も無し不可も無しという感想である。
まあ、次も観てみようかな、といったところであった。

第一話の後に

書店で何気なく目にしたコーナー、ここに「野ブタ。をプロデュース」が山積みにされていた。
「ああ、原作があるのか。」という程度の関心だったが、一冊手に取ってみると背表紙には「第41回文藝賞を受賞」と記載されていた。
「一応、ちゃんとした文芸作品なのか。」とちょっと見直し、通勤、特に帰路に読む本としてはちょうど良いなと思い買ってみた。
作者は21歳の専門学校生ということで、文体は今どきの若者の感覚に溢れていたが、内省的な記述が興味深く、原作とドラマのギャップを楽しんでいくことにした。

それにしても原作の野ブタは、冴えない男子高校生なのね。ここからしてだいぶイメージは違う。
そして、ドラマでは相棒となっている彰は原作には存在しない。修二の家庭事情も原作では全く触れられていない。
感動をウリとするこの時間帯では、原作の持つエッセンスは引き継ぐものの、改訂という名の大幅な歪曲があることは必至であろう。
第二話

真夜中様ですか。学校の怪談の趣である。

ドラマでは、修二の家庭と学校を巧くシンクロさせていて、これはこれで原作にない面白さがある。
それにしても修二は長男なのに、何故名前に「二」が付くのでろうか?

閑話休題。第二話は野ブタの改造計画。
堀北真希扮する野ブタは、暗くオドオドした感じがいかにもいじめられっ子という感じを極端に演じていて、かなり笑える。このオドオド感は「窓際太郎の事件簿」の椿薫(麻生祐未)「電車男」の山田剛司(伊藤淳史)に相通じるものがある。

しかし、う~ん、どうでしょう。全員が黄色のペンキで自分の制服に落書きをするなんて。

まあ、キャサリンの一言があってクラスのみんなが気付いた、ということではあるんだけど、ちょっと子供騙しっぽいなぁ。
修二と彰、せめてこの二人だけに留めてもらいたかったな。
まだ野ブタがクラスの人気者になっていない訳だし、まあ、百歩譲って表層的な連帯感みたいなところを描きたかったのかもしれないけれどね。このあたりは「女王の教室」に通ずるものがあるのかな。

ちょっと安易な感じは否めなかった。
第三話

第三話でようやく修二の内省的な部分に迫ってきました。
ここいら辺りから面目躍如といったところでしょうかね。
ただ、随分と早い時期に修二自身の自省がなされ、修二が野ブタや彰に自分にないものを見出し始めているところが、原作とは違った方向性を見いだせる。

まあ、原作とは違って野ブタは普通に素がかわいいので、あまり野ブタの改造計画には時間を割かないのだろう。

文化祭前日、お化け屋敷を壊してしまったのは、マリ子か?
何かそんな気がする。

産経新聞ヤラセ記事2005年10月31日 23:56

産経新聞大阪本社は31日、10月25日付夕刊の写真グラフで掲載した、月を背景に飛ぶコウノトリの写真は虚偽報道だったと発表。
31日付夕刊1面でおわび記事を掲載したとのこと。

このニュースは何気なくテレビで観たが、たしかに「出来すぎた画」であり、月と鳥双方にバッチリピントが合っているのは実に不可思議である。

よく、ドラマなんかに出てきそうなネタであるが、本当にこんな安直なヤラセがあったとは、遺憾を通り越して何だか微笑ましくもある。

池中玄太なら絶対にこんなことはしなかっただろうね。
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